2019年04月06日

オープンサウンドデータのフィードバックと発展の関係

オープンサウンドデータをはじめて4ヶ月目になりました。

日本型DCCサウンドは、モデルランド田中さんなどがデジトラックスのサウンドデコーダで主にNゲージ向けにリーズナブルに実現されてます。一方で、徹底的に高品質に振った商品というものはクマタ貿易さんの24000円のLokSoundを購入するしか無いという状況でもありました。クマタ貿易さんの日本型LokSoundは、CV8を書くとデータも消える?という都市伝説や、他の店よりも8000円程度高いという値段の割にサウンドの品質に不満があるという声もあるなどなど、いろいろ逸話を聞いております。

オープンサウンドデータは、徹底的に高品質に振ったデータを作成していただいた上で、DesktopStationがそのデータの配布の権利をクリエイターさんから提供していただき、それを気軽にDCCの一般ユーザーに自由に使ってもらうという事を目的にはじめたものです。

Webで多くの人に紹介してもらって、DCCサウンドの良さを知ってもらおう、というコンセプトだからこそ無償で公開しているのですが、残念ながら、公開している側としては効果が今のところほとんど効果を実感できていないと言わざるを得ません。組み込んだ人の情報どころか、「こんなのあるよ!」という紹介の情報すら、ほとんど出てこないためです。

電子工作ユーザーだと、こういう面白いものがあると、いじり倒した成果をどんどん披露するなど、よくあるのですが、鉄道模型ユーザーには、そういった面があまりない?のでしょうか。鉄道模型には、"オープンソース"という文化はあまりなじまない、ということなのかなと思ってしまいます。

無料公開で求めるモチベーションは、使っている人の声です。Webや口コミで情報をどんどん拡散してくれる人が増えないなら、データを追加する意味はありませんし、私がクリエイターさんに要請する義理もないです。現時点では、オープンサウンドデータを追加する資金を投入することは考えられないと言わざるを得ないでしょう。クリエイターさんが、個人的に作っているものを、どんどん公開してくれると思ったら大きな間違いです。クリエイターさんのやる気を引き出すように、ユーザー側も目に見える努力をするべきです。Youtubeに投稿する、SNSでどんどんつぶやく、ブログで記事にする、あちこちのイベントや運転会でみんなに自慢しつつ「無料だぜ」と宣伝する等です。

オープンサウンドデータではなく有償のデータ公開なら、モチベーションはお金になるわけです。オープンサウンドデータはルール上、お金を払う必要は無いのですが、ユーザーの声というものをきちんとフィードバックしていただきたい。そうしなければ、オープンサウンドデータの発展はありません。オープンサウンドデータの今後は、ユーザー皆様の行動次第です。私は、その行動を定量的に評価して、データの追加の交渉をするかの判断をします。ただそれだけです。

何も言わないと言うことは、「お店で+8000円払って買える日本型LokSoundの方が安くて品質も良くて良いよね」「オープンサウンドデータなんて不要」と言っているのと同じ事です。「違う」とおっしゃっても、何も言わない以上、私は、あなたのフィードバックはネガティブだ、として評価します。

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なお私に直接メールや、会ったときにオープンサウンドデータのポジティブな声も多くいただいているので、ポジティブな人もそれなりに多くいらっしゃるのは分かってます。実際にやってみるためには、ハードルがあるのも分かってます。そこもあえて言ってます。と言うことで、既知のハードルは以下の通りです。

■入手面

ESUの商品は日本で入手しづらいです。在庫無しもよくあります。値段もドイツ通販と比べると高い。
これが問題かも知れません。技術面は何の問題も無いので、ウチが代理店やってしまうのも手ですが、肝心のお店の面積の条件に引っかかって進めません。本社の自動車整備工場(機器の販売は一切やってません!)の面積で良ければ出せるのですが・・・。

■費用面

デコーダ自体は、海外通販で1万円、国内だと16000円程度〜24000円。
高いでしょうが、ディテールパーツと同じと思えば、そうでもないのではないでしょうか。LokSoundよりずっと機能も無いアナログのサウンドモジュールが同じくらいの値段で売っているケースもあります。

車両側もそれなりです。天賞堂のHO C11は45000円します。たぶん、C11サウンドが一番、普及のハードルが高いかもしれません。入手性も、大手のお店に行かないと買えないですし、おいそれと簡単にポチる金額ではありません。

キハ40、クモハ12/40等は、金銭面で言うとハードルはかなり低いと思います。

■組付け

たぶんここが一番の大問題で、DCCもオープンサウンドデータも、なかなか普及しないのもコレに起因すると確信しています。私も模型メーカーの経営層に何度か陳情してますが、「ユーザーがDCCを望んでいない。価格の安さを望んでいる」と、一蹴され続けているのが実情です。メーカーに実際にフィードバックする人は多くないと思うので、実際を反映していないと思います。署名活動でもやってやろうかと思うくらいです。
とはいえ、文句言っても、やるしかないので組付けするわけですが・・・。

キハ40の組付けの難易度はそこそこ高いです。ただし上側はポン付けの室内灯を付けるだけで済み、改造するのは下回りだけです。coreは非常にありがたかったです。また私が以前に示した基板改造を行うことで、ヘッドライト・テールライト・室内灯まで全部、一括で制御できるようになります。クモハ12や40は、コネクタが付いていますが、デコーダ搭載の考慮はほぼ無いので、ハードルとしてはあまりキハ40と変わりません。また、室内灯の部分で配線の引き回しが必要になり、意外と組付けのハードルは高くなります。

組み付けることは難しい、だからやらない、という悪循環に陥っているのが実情です。ここをどう打開するかが、次の一手なのでしょうが・・・。ここが通れないので、オープンサウンドデータというものが存在することを広く知ってもらうことが、この突破のための下準備となると思ってます。

■情報面

サポート体制、マンツーマンで対応ということは残念ながらできませんが、デジタル鉄道模型フォーラムを整備しているので、サポート体制はあまり悪くは無いと思ってます。
ここはほとんど問題にならないでしょう。
posted by yaasan at 06:32 | Comment(5) | 鉄道模型