2020年11月21日

MacBookAir 2020 M1を買った

夏にDELLのXPS13を導入したばかりでしたが、Apple Silicon M1が搭載されたMacBookAirがどうしても気になってしまいました。ちょうど、冬茄子の時期ということで、うまく誤魔化せるだろうと期待して導入しました。

MBA_M1_1.jpg

エンジニアとしては、一般大衆向けコンピュータとしてもっとも台数が売れるであろうMacBookAirで、ARMプロセッサがどのように効果的に動くかを確認したかったところです。マイクロソフトから、クアルコムのチップベースのARMプロセッサ搭載機種が既に出ていますが、発売直後の評判や、商品の魅力を考えると、MacBookAirかなあと思ってます。

数時間しか触っていませんが、モバイル向けをベースに開発されたARMプロセッサベースのPCが遅いという勝手な思い込み・懸念は完全に払拭されました。全く問題なし。メモリも8GBの機種にしていますが、特に今のところ、遅さを感じることは全くありません。性能はネットの評判通りで、バッテリの持ちはこれからですが、これでソフトが十分に充実してくれば、革命的なことになろうと思います。

この想定外の性能は、単純にARMプロセッサだからということではなく、ノイマン型コンピュータのバスではなく、Fabricというn:nの接続を可能にするデータ伝送方式の導入(AMDもそうですね)、RAMの完全統合、SSDの高速化、OSとの連動などなど、最適化を推し進めた結果と思います。PCからではなくモバイル・タブレットの視点から作り上げたというのが、この結果を生んでいるのかなと感じる次第であります。

さて、Macに移行(といってもWin10デスクトップは今まで通り工作室に置いてあります)するので、ソフトの移行問題が課題です。Windowsを使われている方は充実しているのであまり気にしてなかったかもしれませんが、MacやLinuxでは切実な問題です。
とはいえ、10年前と比べると、一通りの有名なソフトはマルチプラットフォームになっていることもあり、改善してはいます。さらに従来型のインテル版Macでは、WindowsをBootcampやParallesなどで動かすことが可能なので、Windowsと共用するということができていました。必要な人は、ハードルはそれほど大きくなく、どうにかできていたというのも実際のところです。

しかし今回はARMプロセッサになっているので、CPUエミュレーションを行わなくてはなりません。今回のMacOSでも、Rosetta2というCPUエミュレータが入っていて、インテル版のバイナリを動作中に変換してくれるので動きますが、30%の速度低下のようです。しかしこれはあくまでも、同じOS内でAPIを使えない部分のCPU依存部分だけを変換しているので、このスピードダウンで済んでいることになります。とはいえ、それはあくまでも、Macアプリの話です。

Windowsを動かそうとすると、話は大きく変わるわけであります。評判通りの、ものすごい性能のM1チップとはいえ、WindowsのOSごとエミュレーションするとなると、相当にヘビーなことになると推測できます。そこで、個人的に注目なのが、WINEです。WINEの有償版がCodeWeaversです。

WINEはOSレベルではなく、APIレベルを模擬するソフトウェアで、Windowsアプリがよく使うAPI(Win32が中心, 間接的に.Net, DirectXなど)を置き換えて動かすような働きをしてくれます。なので、APIをM1ネイティブで実装できれば、それなりの性能が期待できます。

現時点だと、Rosetta2にバグがあるようで、OS11.1のリリースを待たないといけないようです。

例えば、DCCサウンドユーザーだと、ESUのLokProgrammerがMacで動くと、かなり使い勝手の面でメリットが出てくるわけですが、現時点だと動かせるかどうかは不明です。ただし、x86 LinuxのWINEでは動くというデータベース情報がありましたので、WINEのM1対応が進めば、デコーダの書き込みは難しい模様ですがサウンドファイルの編集は期待できそうです。

DesktopStationSoftwareも実はLokProgrammerと同じ問題でして、同じC#製で、.Net Frameworkを使っているのも同じです。以前にMacでWINEを試したことがありましたが、シリアル通信が正常に動かず、画面も少し乱れるなどがあり断念してました。

DesktopStationSoftwareについては、VisuatStudio 2019 for Mac(旧Xamarin)を使うという手もあります。以前はよくわかりませんでしたが、シリアルポートも普通に動かせるようではあります。

色々なOS間で、互換性を持たせる仕組みがたくさんあり、嬉しい反面悩ましいところもあり、M1チップでどこまで実現できるか試していこうと思います。
posted by yaasan at 08:00 | Comment(0) | 鉄道模型

2020年11月13日

DCCコマンドステーション FireBox

Wasatch Scale ModelsがkickstarterでクラウドファンディングしていたコマンドステーションのFireboxですが、いつリリースされるのか注目していたのですが、10/10のアップデートで、支援者のみに通知を出しているようです。

Firebox_theend.png

”The end of the road”は、直訳すると、「道の終わり」なので「ゴールに到達したってことか。まもなくリリースか」とつい思ってしまいますが、英英辞典で引くと、英語としての本来の意味が出てきます。

「the point at which it is no longer possible to continue with a process or activity」
プロセスや活動を続けることができないということを指す

つまりすごくネガティブな何かを書いているという事なのであります。私は支援者ではないので何が書いてあるかは知りませんが、タイトルを見るだけでも、そういうことなのかなと思ってます。

私もDCCコマンドステーションを開発してきて、その大変さを身に染みてわかっておりますので、このプロジェクトは続けることが難しいだろうなと最初からずっと思っておりました。

今回、このクラウドファンディングで$10,534(約110万円)を元手に開発するという事になっていましたが、目標の機能を実現するためには非常に少なすぎるというのが個人的に思うところです。外注費を基板製造に抑えて、回路やソフトを自分で設計するとしても、何かミスがでるだけで、すぐに資金ショートすることとなると思います。

低予算の場合には、スモールスタートとして、ファームウェアで徐々に時間をかけて機能を追加するという手法をしないと、非常に難しいと思いますし、その場合にはクラウドファンディングを使うことは避ける方が良いと思います。というのも、クラウドファンディングをするとなると、それなりの目標を立てないと、お金を集めることができません。そして、その高い目標を支援者の望む期間内で開発を行って完成させるだけでも非常に大変です。開発完了後には、さらにハードルがあり、一度に大量の製品を製造し、発送することが待っています。短期間で製造し、発送するには人手もお金もかかります。
お金を掛けないようにするには、時間をかけて開発し、少しずつ発送する手法を取るしかなく、それはクラウドファンディングではなく、頒布の形がベターです。

私も、何十回とクラウドファンディングやればと言われましたが、上記の問題が分かっていたので、避けていたのが実際のところです。リスクを避けるには、小さくして始める(スモールスタート)が重要なのです。ハードウェアのクラウドファンディングは、どう考えてもスモールスタートは難しいでしょう。

ウチと同時期に出てきた国内外のいくつかのDCCメーカーは、本格的な始動に至らずに休止・廃業となっています。実のところ、ウチも埋め合わせて形を繕っているだけであり、いつThe end of the roadが来ても、まったく不思議ではありません。

オープンサウンドデータのおかげで、この1〜2年は生き延びられました。しかし、オープンサウンドデータが、ごく当たり前のものとなってしまった状況の中で、2021年以降、成長をしていくにはどうすればいいのか?今のところ、No Ideaであります。
posted by yaasan at 19:19 | Comment(0) | 鉄道模型

2020年11月11日

年末までの再生産について

大幅に遅延しておりますが、以下の製品の再生産を実施中です。年末までに間に合うか怪しいですが、製造をElecrowで進めてもらっています。

・ポイントサーボデコーダ DSservo
ExpBoard Next18 for General HO
DSwatch
Next18化基板(Ayano OEM) (Next18コネクタ オスを実装済み)

また、以下の製品の再生産、リリースを考え中です。

ExpBoard YP SHORT
・エンドウ HO E353 DCCサウンド化キット(サウンドデータ書き込み済のLokSound5 MTC21付き)
posted by yaasan at 08:41 | Comment(0) | 鉄道模型

2020年11月10日

オープンサウンドデータ 長野電鉄 2000系

オープンサウンドデータ 長野電鉄 2000系を公開しました。クリエイターのMB様には御礼を申し上げます。

MB3032-A形走行音となっており、同型モーター使用の小田急2200系、秩父鉄道300系、伊予鉄道700系(京王5000系改造車)にも好適です。

nagano2000_1.jpg

■ファンクション一覧

F1:ドライブサウンドON
F2:警笛
F3:AUX1 室内灯
F4: -
F5:非常ブレーキ
F6:力行保ち/抑速
F7:音量調整
F8:レール継ぎ目音
F9: -
F10: フランジ音(走行中)
F11:手笛/ベル省略
F12:ドア開閉 手笛
F13:ドア開閉 発車ベル
F14: -
F15:CP強制起動
F16:電制切
F17:ブレーキ試験
F18:フラット
F19:元ダメ減耗タイマー
F20:-
F21:車内放送1
F22:車内放送2
F23:車内放送3
F24:-

■製作者・著作

MB3110A様, うえだねじろう様, KC田之上様, Yaasan
posted by yaasan at 08:28 | Comment(0) | 鉄道模型

2020年11月09日

エンドウ E353の走行動画

先週あたりに作ったエンドウE353 HOの付属編成を、走らせた様子を動画でまとめました。



車側灯以外の部品やデコーダなど一式をセットにしたものを出そうと思っていましたが、高級なブラス製ということもあり、そんなに大量に販売されている鉄道模型でもなく、需要がよくわからないので、どうしようか悩み中です。
posted by yaasan at 08:19 | Comment(0) | 鉄道模型