私もよく東海道新幹線に乗るので、気になっていましたが、とうとう原因が判明したようで、良かったです。
原因が分からずに、適当な理由にされてうやむやにされるんじゃないかと思いましたが、明確に原因は、台車取り付け時の無理な削り加工ということで、今後は対策されていくと思います。
これ、現場の作業や設計の人が悪いのではないです。無理なコスト、無理な納期を押しつける仕事に決裁とGOサインを出した川重のエラい方々、JR西日本・JR東海の調達担当者が悪いのです。
製造現場は、やむを得ず、削る加工をしたと思います。納期はもうすぐ、製造し直すと費用も時間も掛かる、結果的に責任を取らされるなど、追い込まれての結果に見えます。
この行動は、NGで、本来はNOを突きつけるべきでした。ただ、NOと言った瞬間、その人は飛ばされたりして粛正されるのが目に見えているのでやってしまったというのが実際でしょう。粛正人事なんて、当たり前のように行われてますし、みんな空気を読んでやってます。
車両の仕事は、とんでもない納期、コストとよく聞きます。しかも、日本車輌、日立など様々なメーカーに分けて製造させるわけですから、設計・製造面での無駄も非常に多いです。調達元はリスク分散で調子が良いのでしょうが、その分のコストを上乗せすることも無く、現場に無理を生じさせているのが実態です。
コストを抑えるには、多額の投資で技術やノウハウをためないといけないです。既に、現代の技術は成熟しているので、無駄な部分はそんなにありません。コストや性能をさらに劇的に上げるには画期的な手法を開発するしか手はありません。
残念なことに、画期的な手法を編み出しても評価されず(コストダウンアイテムは結果的に値引き材料に使われて儲けが薄くなる)、ほとんどのケースではエンジニアや現場の尻を叩くことに行き着きます。
起こるべくして起きた、日本の製造業のヒエラルキー・搾取構造が招いた事件と思います。見えないところでたくさん出ていると思いますし、今後も出てくると思います。みなさん、かなり無理をして作っていると思います。
最近、「日本凄い!」とかTVで盛んに自慢げに言ってますが、その「凄い」って、人をいろいろな面で追い込んで実現しているのです。それって、「酷い!」ですよね。
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2018年03月01日
川重の台車削りすぎ問題
posted by yaasan at 07:29
| Comment(3)
| 日記
そのころ英国では、公共インフラの老朽化が顕在化して事故が始まっていました。
その後、我が国でもトンネル天井の落下などでドライバーが死亡したりしました。
トンネル内の定期点検は実施していたが、十分ではなかったということでしょう。
問題は、現場と監督者にあると思います。おそらく、その両者に責任感と勇気が欠けているのでしょう。
ここらで、原点に戻って対応を検討しないと、我が国で、また同じような事故が繰り返されるでしょう。
私も、20年前に、品質管理の問題とかインフラ更新の必要性を感じて、意見したこともありましたが、完全に門前払いでした。ことは起こるべくして起きたと言えます。
豊かで便利な社会を維持するために、基本を順守する当たり前の行動が求められています。
私は、川重の班長さんが何故本体を削ったら強度が落ちる事を認識してなかったのでしょうか。
本体はℝ付、台座はフラットであればこのままでは溶接不可は明白。本体を削らない限り接合しません。何故ここで「強度が低下する」認識がなかったのでしょうか。上司に報告すべき事案だったと私は思います。背景には納期、コスト、時間等々あろうかと思いますが製品の使用方法を考えれば一旦立ち止まり、冷静に判断すべき事案だったと私は思います。
又、何故フラット面とR付きの物を接合するような設計をしたのでしょうか。疑問です。以上私の書き込みです。
事故などは、複数の要因が重なると起こるとよく言いますが、今回は、製造の問題、運用時の問題の2点でリーチになっていたと強く感じます。今は、企業も非常に厳しい、ゆとりのない状況下は、数十年前からすでに始まっていた、と思うと今後はさらにどんどん増えていくのは確実ですし思うとゾッとします。
最終消費者の利便性や経済性を多少なりとも犠牲にしても、安全第一で対応頂きたいところです。