Dartはノートパソコン用のACアダプタで、特徴は超小型な事です。一時期、VHF帯のスイッチング周波数を謳ってました。実際はトラ技2月号に書いてありますが、スイッチング周波数は400kHz程度で、最初の謳い文句が大ホラだったのがバレてますが、エンジニアとして恥ずかしくないんでしょうか。既存のICの組み合わせ+コストにものを言わせて冷却対策して実現したようです。パワー素子はGaNじゃなくて、インフィ二オンのSi MOS-FETを使ってるようです。まあ、今現在の段階ではGaNなんか使ったら、1万円でもACアダプタは作れませんしね。
まあ、技術的なミスリードを誘っても、技術を分かる人は少ないのでどうにかなると思ったのでしょうが、一方で、こんなことでもビジネスになるという証拠でもあります。日本のメーカーは、ズルさも持った方が良いと思いました。電圧リプルも±0.4Vで振れるというので、コンデンササイズもギリギリにしてるんでしょうね。
さて、比較するには、ちょっとズルいのですが、富士通のWU2/B1に付属のFMV-AC326(40W, 19V/1.9A out)と比較してみました。容量は、40W/65W=0.61なので、おおよそ40%分のハンデがあることになります。

重さは以下の通りです。配線の見た目にも注目。
富士通:

Dart:

確かに小さいです。使い勝手も、Dartの方が良さそうです。Dartは、ノートPCに19.5Vを出せるのに加えてUSBの出力も付いていて、2.1Aを出せるのでiPadも充電できます。これ意外と重要。VAIOも付いてますが、富士通やLenovoは付いてませんでした。USBの部分も見た目的に使いやすいのは間違いなくDartです。
結論としては、Finsixなんてホラ吹き会社ではなく、日本の電源メーカーが本気を出せば、似たようなもの(もっと良いもの)はそれほどハードルは高くなくとも作れると思います。ただ、実売で2000円くらいのものを12000円で売るような、とんでもないコストのかけ方を事業判断でしていないので、やっていないだけだと思います。
たとえばコストを2倍〜3倍かけて使い勝手・デザイン性(プレミアム感)を追求したものを作ったら、意外と売れる可能性を、Dartが示しているのでは無いでしょうか。
富士通も、WU2/B1本体は結構カッコいいのに、ACアダプタは昔通りのダサさで、全体としてまとまりがないと思います。企業向けに割り切っていると言うことなんでしょうか。なんか腑に落ちません。
なおこのDart、残念なことにMagSafeのライセンスの絡みか知りませんが、アップルのMacBookAirとかには対応してません。たぶん、これはビジネスにおいて相当な致命傷になるんじゃないでしょうか・・・。USB Type-Cで充電できるMacbookだけ例外のようですが。