2018年04月06日

デジタルとアナログ

Taka@さんが、重連時の進行方向を物理的に逆にするアクロバティックな操作を、エラーや不具合というように指摘するのは何でだろう?と、不思議に思っていたのですが、よく考えると、アナログ鉄道模型をベースに解釈していたからだと気づきました。

※Taka@さんの指摘は、エラーでは無いですが、重連機能として不足しているのは間違いの無い指摘です。コミュニケーションがちょっと足りなかった(もっと髪を伸ばすべきだった)ということです。

アナログとデジタルって、実際には何が違うのか、ちょっとおさらいしましょう。
以下の図は、アナログとデジタルを説明する際に、電気工学の大学1年生で習う教科書に出てくるものです。

analogdigital.png

アナログは、線が連続的に続いています。この線を切って細かく見ても、線はずっと繋がっています。
一方でデジタルは、線を切る間隔というのが決まっています。これを不連続と言います。難しい言葉で言うと、離散、とも言います。

デジタルにすると、アナログの情報量が減りますが、人間が必要なアナログの情報量というのは、ケースバイケースで、そんなに細かい情報は要らないことも多いです。またデジタル化すると、コピーや改変、保存が非常に簡単になります。現代のデジタル社会は、まさにこの部分をおいしく頂いていると言うことが言えます。

-------------------------------------

で、そのデジタル化して、情報を保存する部分で、今回の誤解が生じているのです。

従来のアナログパワーパックや、アナログ車両(ただのモーター)では、車両の状態というものを保持していません。線路の電圧の極性と、機関車が一致しているかしてないかは、人間が配線し、人間が機関車を置いて判断します。

一方で、デジタルのコマンドステーション側は、デコーダが厳密に進行方向の基準というものを保持しています。どっちが正方向、どっちが逆方向か、デコーダを車両に入れると必ず決まってしまうのはご存じと思います。コマンドステーション側もそのデコーダの設定されている進行方向を基準にして制御を行います。

今回のトラブルのように、進行方向を物理的に逆にしたとき、人間の頭の中では逆にしたつもりになっていますが、コマンドステーションやデコーダにセットされている進行方向は、そのまんま逆にはなりません。

よって、きちんと、機関車を逆にした場合には、物理的に逆にしたことをコマンドステーション側(進行方向の逆設定機能)か、デコーダ側(CVで設定)かに明示して教えてあげる必要があるわけです。

人間はアナログなので、全て繋がっているように見えますが、デジタル機械は、設定されたものが全て基準なので、その基準を逆にすると、人間の意図したものと、機械の意図されたものがちぐはぐになってしまいます。今回のトラブルの原因というか、誤解はそこにあります。

ということで、何が言いたいかというと、次のFlashAirアプリで、コマンドステーション側に進行方向の逆設定機能を追加します、ということでした。

analogdigital2.png
posted by yaasan at 08:24 | Comment(6) | 日記
この記事へのコメント
アナログでは右側+(プラス)で前進と決まってますが、デジタルでは前は車両の向きをひっくり返そうが前なので、そこをちゃんと理解出来ないとダメ何ですよね。

例えばターンテーブルでSLを180°回して前進させるとデジタルは前に進むけどアナログは逆転操作しないとバックしちゃう。

ちなみに本物もデジタル同様にひっくり返そうが前は前、後ろは後ろなので、決まりがおかしいのは車両で無くレールを制御してるアナログ鉄道模型だけのローカルルールと言う事です。w
Posted by LOCKE at 2018年04月06日 08:33
でもデジタルの場合、重連時の前後進向き違いはデコーダのCV29で方向設定を変更するのが基本の筈で、神の手で物理的に向きを変えたりコマンドステーション側で変更をしちゃうのはあまりよろしく無いと思うのですが。
Posted by LOCKE at 2018年04月06日 15:28
コマンドステーション側で、一時的にユーザーが操作して特定の車両だけ進行方向の意味を切り替える機能で設定変更をしなければ問題ないかなと思います。
Posted by yaasan at 2018年04月06日 16:50
デジタルで困るのは附随車のテールライトだと思います。
アナログだと線路の極性で進行方向がわかりますが、デジタルだとわからない。
動力付きの固定編成の電車などでは、動力車の進行方向と連動させればよいですが、機関車が一定せず連結方向の変わる客車列車の最後尾とか車掌車では進行方向に応じてテールライト切り替えようと思うとデコーダー積んむしかないと思います。
連結方向変える度にCV値書き替えるわけにもいかないので、独自のアドレスを振ってファンクションで切り替えるしかないと思います。
そこで手前味噌ですが、車輪の回転方向で進行方向を判別する仕掛けを作りました。
http://kotenki.cocolog-nifty.com/loco/2018/02/3-6e58.html
現在Aruduino Miniで動くとこまでできていますが、ライト切替だけでマイコン使うのもモッタイナイので、DCCデコーダー化しようと思って手が止まっています。
Posted by ゆうえん・こうじ at 2018年04月06日 18:49
Yaasanさん>

コマンドステーションに保持しない一時的な方向切替なら確かに有りですね。
Taka@さんのブログも拝見しましたが、SLのプッシュプルで反対向き連結とかは実際やってたと思いますし。

そう、考えると多重連で向きがバラバラな事が多いアメリカ型では、どうやって一時的な切替運用してるのかは気になりますね。


ゆうえん・こうじさん>
車掌車や緩急車、先頭車や単行車が多数連結する気動車などデジタルが個別制御故アナログ時代は考えなくて良かった事が問題になってしまいますが、本物は総括制御の部分以外は灯火類の制御とかも基本個別なので、よりリアルなんだと納得したいです。w

なので、デジタルでは制御したい物が有るところにはデコーダ付けるor引き通しを設ける必要があると思います。
Posted by LOCKE at 2018年04月07日 12:43
こんにちは。騒ぎの張本人でございます。(^^ゞ
皆さんのご意見、興味深く読ませていただいております。

LOCKE さまのターンテーブルと実物の話はまさにその通りで、アナログからデジタルへ乗り換えると戸惑う場面です。
デジトラックスの瞬時にプラスマイナスを切り替える基板などがあるので助かりますが。


ところで、皆さん勘違いをされているようなのですが、
私の動画では、1回目だけがきちんと切り替わらないのが不思議なところなのです。
2回目以降はきちんと両方のSLが切り替わるので、そこかエラーだと思うわけです。
2回目以降もどちらかの前後進が切り替わらないのであれば、逆にエラーだと思わず、こういう「仕様」とも思えるわけで。。。

という考えがまたアナログ世代特有なのかな??
Posted by taka@ at 2018年04月07日 14:27
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。