なごでん(名古屋電鉄)さんから、スマイルデコーダN18が本日リリースされました。日本のDCCメーカー(なごでんさんは、もちろんNMRA公認)で初めてのNext18本格採用です。
主なスペック:
・Next18コネクタ対応(Next18規格準拠)
・モータ制御可能。BEMF対応。0.7Amax(連続0.5Aまで)。
・KeepAliveコンデンサ対応
・サウンドは未対応(今後計画?)
・ヘッドライト・テールライトはDCC規格準拠(COM+オープンコレクタ)
・AUX6まで対応(AUX5,AUX6は省略されているケースが非常に多い!)。6FX(COM+オープンコレクタ)+2Fx(5Vロジック出力)。
・オープンソース、回路図公開。
・Arduino UNOベース、スマイルコネクタType-Aスリム装備。Arduino IDEで書き換え可能(要スマイルライターCOMBO A)

日本メーカーのNext18デコーダが出たことが、非常に重要です。これをベースに、様々な種類のNext18デコーダがリリースされれば、もっと楽しいことが起きます。日本人による、日本人のためのDCCデコーダで、よりよい環境になればと思います。
私は、スマイルデコーダN18のリリースは、今までのDCC活動(=DesktopStation)の中で大きな転換点になるだろうと確信しています。明らかに、DCCの装着の常識が完全に変わります。だからこそ、今日は鉄道模型2.0になった日と考えています。昨日までは海外のものに頼って自立できていなかった、鉄道模型1.9の時代でした。
今までのDCCデコーダ装着の最大の欠点は、車両に直接配線する必要があって、要らぬ失敗や挫折をユーザーが経験することで普及を阻害していたことにあります。DesktopStationでは、その解決策は、コネクタでワンタッチでデコーダ装着が行えることしか無いと考えています。
世界では、Next18、PluX、MTC21、NEM651,NEM652などがあります。Next18,PluX, MTC21が今一番新しいコネクタですが、色々な人と議論して、Next18が日本ではベストであると考えました。(きっかけはkumaさん)
理由は何よりも小型で、Nゲージにも入ること、HOでもディテールも潰さずに済むこと、日本のプラ模型車両との相性も良いことが挙げられました。

このNext18コネクタの最大の特徴は、スピーカー配線やヘッドライト・テールライト、室内灯、モータなど、全てを超小型なコネクタを介して接続できるので、DCCデコーダの交換が容易です。と言うことは、ステップアップも容易と言うことです。具体的には、取り付け時は激安のデコーダで動作チェックし、最初に搭載するのは2000円程度のシンプルなデコーダ、次はサウンドが簡単に出る5000〜6000円のミドルクラスのデコーダ、その次はLokSound5 microのような1〜2万円程度の高級サウンドデコーダ。最初から高いものを買う必要はありません。また飽きた車両からデコーダを抜き取って、今楽しみたい車両に差し替えて遊ぶのも簡単。
特にNゲージ車両では、今までは直接半田付けして、取り外し不可能にせざるを得ない状況でした。配線ミスしてデコーダを壊したら、配線もやり直し、デコーダも買い換えでお財布も軽くなる。時間もお金も無限にかかる地獄絵図であったのではないでしょうか。そんなことは、DCCは高いと思い込む原因の一つになっていたでしょう。
車両側にNext18アダプターボードを装着して、そこにスピーカーも含めて配線を全て行ってしまえば、それで完了です。配線後はテスタでチェックした後、壊れてもダメージの少ない安いデコーダ(laisdccのものとか)で動作チェックし、問題が無いことを確認すれば作業が完了です。つまり、Next18にすれば、今までハマっていた時間の浪費もデコーダ破壊の金銭損失も、全て防止できるのです。
さらにDCC電子工作連合では、Next18をさらに普及させるために、HOだけでなく、Nゲージ向けのNext18アダプターボードを開発中です。鉄道模型2.0、Next18でのソリューションをしっかりと支えていきます。他にも、水面下で、いろいろなプロジェクトが複数動いています。その内容を紹介することは、現時点ではできませんが、そのうち、ご紹介できる日を楽しみにしております。
日本の鉄道模型の未来を作るのは、模型メーカーではありません。ユーザー一人一人です。Next18は、それをお手伝いするための道具として、有効に活用して、鉄道模型をもっと楽しく使って頂ければと思います。
・なごでん(名古屋電鉄) (デコーダ開発元)
・Next18 DCCコネクタのススメ
・オープンサウンドデータ