なんで調べるかというと、オシロの用途や使い勝手を予めはっきりさせるためです。
たとえば、私が会社でいつも使っているデータレコーダの横河SL1400は、プローブ間が完全に絶縁されていて、さらに電源には絶縁トランスを入れているので何も考えずに機器の測定などができます。
仕事では測定機器の環境で過剰なまでに対策されているので気軽に測定していますが、家でも同じ調子でやると危険なので、測定器の素性を把握しておきます。
・Ch1とCh2のプローブ間
まあ本体にちゃんと絵で書いてあるのですが、GND共通です。
ということで、何も考えずに適当に電子工作でGNDが同じ回路上で、2つのチャンネルをGNDを共通にしないであべこべに見ようとすると、ショートして燃えます。回路屋は常識ですが、ちょっとかじったくらいで趣味だけでやってる人はきちんとオシロスコープを回路につないだときの状態を理解してください。私も実は会社に入るまでちゃんと分かっていませんでした。大学の電気科でも、授業ではオシロスコープのことはぶっちゃけ細かく教えてくれないので自分できちんと勉強しないといけません。

ようは、回路で複数個所を同時に見る場合は、絶対にGNDはすべてのプローブのGNDを共通にします。どうしてもGNDが共通にならない特定の箇所を観測したいときは、いったん全部はずして、1つのプローブだけで観測します。面倒ですが、SDS6062はそういうものなので、きちんと手順を踏みます。プローブがジャンパの役割をして、ショートまたは回路が変な動作します。
趣味で電源系の回路を作る人はあまりいないと思いますが念のため。絶縁型回路を見るときは分かってるとは思いますが特に注意です。トランスなどで1次側と2次側が絶縁されている場合に、両側をそれぞれ見ようとすると、当たり前ですがGNDが共通になって絶縁ではなくなります。絶縁しないといけない理由がある場合に、これをやってしまうと非常に危ないです。
GNDが共通ではない回路を見たいときは、絶縁プローブ(差動プローブ)か回路上でちゃんとGNDが絶縁されているオシロを用意しましょう。もちろん、SDS6062を何台も買える値段になると思いますが。
・プローブのGNDと電源側のアース端子間
ばっちりつながってます。共通です。浮かして使いたい場合は、絶縁トランスになるかと思いますが、SDS6062はオプションのバッテリが販売されてます。そちらを使うほうが楽です。持ち運びも便利ですし。