




かなり無駄な作業をして遠回りをしました結果、ポイントが掴めましたのでご紹介したいと思います。すばらしい造型に対して、電気部分に関しては非常に残念と言わざるを得ず、全世界向けの商品の割にアナログ専用で設計するなと言いたいところですが・・・安いから仕方ないんでしょうか。ちょっとした設計上の工夫があれば、かなり簡単にDCC/MM2のデコーダーを取り付ける対応をできるというところがあると思えます。
ここでは半ば無理矢理デコーダを取り付ける方法をご紹介したいと思います。というか、設計上の工夫をして欲しいところを突いて改造しているのが今回のポイントです。
まず、台車を外します。マイナスドライバーを使って少し固定されているところを押し込めば、外せます。

ピックアップシューに関する話についてはメルクリンAC(3線)ではなくDC(2線)の人は無視してください。
集電シュー(ピックアップシュー)を取り付けます。彫刻刀などを使って、切れ目を入れて取り付けします。
集電シューは、なるべく薄いタイプである必要があります。Brawaのものが薄いようです。メルクリンのものは、厚みがあるので、ポイント等で脱線のリスクがあります。私は手持ちのものを使ったので、メルクリンタイプです・・・。ポイントは通過不可でした。

台車を組み立てた状態です。ピックアップシューと台車のダイキャストの間はビニールテープ等で絶縁する方が良いです。

今回、新型のモーター一体型の台車が使われています。その特徴は以下の通りです。
・台車にはDCモーターが内蔵されている。
・台車は真ん中で+/-で絶縁されている。
・台車の+/-はそれぞれモータに直接繋がっている。
・車輪からの+/-は、それぞれの銅板の集電シューと車体側の銅板とモーターのダイキャスト、モータの+/-端子が繋がっている。
以上の条件を踏まえ、今回実施した改造は、以下のポイントです。
・台車が2つあるので、片方をモーター駆動専用、もう片方を線路からの電力受電用にする。
台車〜車両間の配線をそのまま利用するため。台車〜車両間には空中配線となり、さらに左右の可動部があるので配線への耐久性等を考慮すると配線は非常に難しく、カーブを曲がる時や耐久性の面で問題を起こすリスクがあるので避けた。
・受電用台車のモーターを撤去
モータへの配線が難しい事、DCC/MM2ならモーターが1個でも高速を追求しなければあまり問題なく走るため、思い切って外します。外したモータやギア等は予備用として取っておきましょう。
・車両内のブスバー(銅板)を真ん中で半分にそれぞれ切断し、切断した間を絶縁する。
片側は受電の+/-、もう片方はモーターへの電力供給用の+/-にする。既にある銅板を活用するのが目的です。

・モーター駆動側の台車の車輪絶縁化、受電側の片側だけ車輪絶縁化
台車の車輪部分は、銅のシュー兼台車への供給用接触子になっています。また、モーターを支えるダイキャストの台車本体とも繋がっており、モータに配線されています。車輪とこの接触子を絶縁すれば、車体側からモータへの電力供給路を作る事が出来ることになります。
よって、車輪と接触する部分を金切りばさみで切ってしまいます。なお接触する部分を切っても、車輪はちゃんと動くので大丈夫です。モーター駆動側の台車は、左右両方とも絶縁しないといけません。


受電側は片側だけ絶縁します。絶縁した方は、メルクリン式特有の集電シューからの電力線として使います。集電シューと、絶縁した方の銅板は配線してください。なお当然ですが、DCの人は受電側の台車に絶縁処理などはしないでOKです。逆にすると動かなくなりますので注意です。
・DCC or MM2デコーダーの設置
銅板はモーター側と受電側で4つに分割されているので、これを使ってデコーダを繋げます。今回は、Nゲージ用に余っていたKATO EM13を使いました。HO用でも電圧的には問題は見られませんでした。
MS2、Cレールを使って実際に動かしてみた様子:

ポイントは走行できませんが、この通り問題なく動くのが分かります。