2017年09月21日

次世代シーケンサーと残存微小病変(MRD)

寛解導入療法もまもなく終わり、来月初日から強化療法IBがはじまります。

今月末に寛解導入療法の結果を確認するための、脊髄穿刺(マルク)を行って残存微小病変(MRD, 顕微鏡で人間がチェックする方法では検出できないレベルの白血病細胞の生き残り)の検査をするのですが、ドクターに聞いたところ、定量PCR法を用いて検査をするとのことです。定量PCR法だと、1/10000の白血病細胞の検出が可能だそうです。

最近、大幅に低コストになった次世代シーケンサーという装置を使うと、1/1000000の白血病細胞の検出ができるとの報告が名古屋大学から昨年末にありました。それ以前から、論文や発表でいろいろな大学で試行されているようですが、この最新の検査手法は名古屋大学が最初に開発して進めているようです。

小児急性リンパ性白血病における超高感度な微小残存病変の検査法を確立 2016/11/18, 名古屋大学

10-100倍の精度向上ってとんでもない向上です。もし、定量PCR法で見つからない、と出ても、新手法を使ったら見つかってました、なんてことがあったら、再発で痛い目に合うのは我々です。

この新手法が何百万円、何千万円とかかるなら考え込みますが、以下のページでは、1万円とか10万円で実施できるとあります。リップサービスもあると思いますが、保険適用外は当たり前として別に10万円とかの費用ならば払ってやってもらいたいです。

鎌田 實「がんばらない&あきらめない」対談 再発難治性急性リンパ性白血病の画期的治療法「CAR-T」療法とは 小島勢二 × リカ・アルカザイル × 鎌田 實 (後編)

ただでさえ忙しいドクターに大迷惑をかけるのは承知の上で、私は最新の検査技術がノーリスクでお金を払えば使えるのならば、絶対にやってもらわないといけません。マルクはどちらにしても実施するのですし、息子の体にはノーリスクなので、全く問題ないと考えてます。

しかしながらドクターは、次世代シークエンサーを使うこの手法は必要ないという考えのようで、明日の夕方、交渉しに行くつもりです。お金なのか、ノウハウなのか、ツテなのか、それとも業界では常識な裏話があるのか、明日聞かない事には分かりませんが・・・。

しかし、遺伝子を並列超高速で解析できるなんて次世代シーケンサーってすごい機械ですね。仕組み解説を見ても、並列で混ざったものを交互に解析するという仕組みがさっぱり理解できませんでした。こんなすごい機械なのに、日本メーカーがいないのがとても残念で仕方ありません。
posted by yaasan at 19:24 | Comment(0) | ALL

2017年09月04日

闘病のためのメモ#4

今日、ドクターから先日、息子が脊髄穿刺して取った検査結果が出て、入院直後に100%だった白血病細胞数は25%未満目標のところ、7.5%まで減っていたとのことでした。目標よりずっと下で、月末に5%未満を目指すところなので、かなり改善してきているといえます。あとは月末の再検査でどれだけ低下しているかがポイントです。

白血病細胞の検査ですが、顕微鏡で撮った画像を数えると言っていたので、具体的にどうやっているのかドクターに聞いたところ、ソフトで自動算出ではなく、一つ一つ、目で見て数えているのだそうです。

薬事法や、法律の規制でそうなっているのかよくわかりませんが、検査結果はスピードが治療方針を決めるのに欠かせないと思いますので、早くできるならやっていただきたいところです。もし、私のソフトウェア技術が生かせて息子のためになるならば、何でも手伝いたいです。

鉄道模型だけでなく、医療支援ソフトをオープンソースなどで作ると、さらに世のため人のためになるのかな、と思ったりもしました。
posted by yaasan at 19:16 | Comment(2) | ALL

2017年09月03日

現在の状況について

息子の白血病との戦いは、365日のうち、14日が終わりました。まだたった2週間です。

スタンダードリスク(SR, 一番リスクの低い状態)で進んでおり、抗がん剤治療も1週間目が無事に終わりました。あと、9月末まであと3週間続きます。これが終われば、まずは大きな山場はクリアになります。予後(生存率)が良好かどうかも、順調に進むことが必須条件です。

遺伝子の変異の型は、ETV6-AML1というもので、予後は良好とされている変異だそうです。

親や、さらに上の両親の24時間体制の看病は、さすがにだんだんと疲れが出てきているように感じます。こんなのが、まだ12か月弱続くのは、キツイそのものです。病院の添い寝用のベッドも、なんとか寝られますが、熟睡には程遠いものです。交代交代なので、何とかこなせています。

親が添い寝をしていない子もいますが、深夜になると「ママー!」と何人も泣いてます。両親の立場も考えると、本当に複雑です。兄弟姉妹がいると、病気の子だけを見ているわけにもいきませんでしょうし。看護師さんも、夜間は2〜3人で、十数人の子供の面倒を見るので、本当に大変だと思います。

私自身、何か月も看病だけをやってたら、本当におかしくなるので、来月以降は気晴らしになるような自分の時間も作っていこうと思っております。
posted by yaasan at 12:03 | Comment(0) | ALL

2017年08月26日

闘病のためのメモ#3

血液検査の結果は、昨日時点でBlastが2%で、ステロイドがよく効いています。

狙い通りに経過をたどっているので、今日から予定通り、本格的に抗がん剤治療が始まります。およそ4週間かけて、白血病細胞を消す作業です。顕微鏡や機械での検査で白血病細胞が検出できなくなるレベル(ただし体の中から消え去っていない)を目指していく形です。これからが一番の山場です。

この最初が全て順調にオールクリアすれば、完治を期待できます。

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非科学的なことを信じるのは大嫌いなのですが、自分の子供がこうして白血病になってしまうとなると、何か私が今までに間違った行動をしていて、それを戒めるようなことを暗に示しているのではないかと考えてしまいます。

それが「日本でのDCC・鉄道模型の普及活動に私が関わる事」ということなのかどうか分かりませんが・・・。

とりあえずは、看病最優先なのでそちらですが、治って余裕が出てきたときには今後のことは考えていこうと思いますが、今まで通り、と言う事は難しそうです。
posted by yaasan at 08:20 | Comment(1) | ALL

2017年08月22日

闘病のためのメモ#1

息子の急性リンパ性白血病(ALL)と闘病していくために、いろいろとメモして整理します。

■診断確定前の症状

2か月前(6月): 鎖骨骨折。レントゲン撮影を行う。医者が合わないという理由で他の医者に行ってもう一回レントゲン撮影を行う(1週間以内に、合計2回の同じ個所へのレントゲン撮影)
1か月前(7月): 階段の昇り降りに時間がかかるようになる、成長痛と誤認する膝の痛みが続く(整形外科でのレントゲン異常なし)
診断1週間前: 38℃の熱、倦怠感、微熱状態が続く、ぐったりしている、動きたくないという。クリニックに連れていくも原因不明と言われる。
診断1日前: 大きい病院で血液検査で白血球数が15000、血小板と赤血球が非常に少ない状態で、即専門の大病院に救急車で移送

■8/18 病名確定

・急性リンパ性白血病(ALL)
→詳しくは言われていませんが、後述の治療プログラムから「前駆B細胞急性リンパ性白血病」と先生は考えているのだと思われます。

・選択する治療の臨床試験プログラムはALL-B12
→入院する病院で標準採用、実績あり、先生もこのプログラムに一番慣れているということで承諾。

■今後のフェーズ

8/26 芽球の数が1000未満か以上かでの、リスク判定(SR or IR or HR)
→8/21 8500程度。先週の半分に低下。ステロイドへの反応が良好だと、予後にも良い影響をするようなので、注視しています。
→8/22 2800程度まで減少。

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いろいろなブログを見てますが、みなさん、本当に長い戦いをじっくりやってきていると感じました。治る病気というのは、よくわかりましたが、とにかく年単位で腰を据えてやっていくことになります。

調べても、治療自体は素人はどうにもなりませんが、子供の入院ストレスを軽減させることはできるので、その部分を家族、親戚を巻き込んで一族総出で対応中です。

昼間の会社も、家族最優先で動くようにと上司も理解してくれており、出張も基本的になしで、業務を一部軽減してもらうなど、助けてもらっています。今まで愚痴だらけでしたが、こんな状況でも会社がサポートしてくれるので本当に助かります。
posted by yaasan at 08:21 | Comment(1) | ALL