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2018年07月02日

DCCデコーダクラッシャー Tomix 5506 N-1001-CLを試す その3

Tomix N-1001-CLのような常点灯対応アナログパワーパック(PWM式)が、DCCデコーダを壊すというネットの情報について、オシロ等の機器で観測を行い、いろいろなメーカーのデコーダを持ってきて、実験を行いました。

DCCデコーダクラッシャー Tomix 5506 N-1001-CLを試す その1
DCCデコーダクラッシャー Tomix 5506 N-1001-CLを試す その2

ESU、Nagoden、Uhlenbrock、ZIMO、Viessmann、DesktopStationで動かしましたが、うまくアナログモードで動かないものはありますが、焼損や故障は一切なしです。他のメーカーも、問題を起こす可能性というのは低いか、もしくは無いでしょう。

DCCデコーダの入力回路は、ダイオードブリッジを使った全波整流回路です。交流が来ようがPWMが来ようが、全部、直流に変換されます。なので、DCCかアナログかの違いによって、DCCデコーダの回路に影響を与える物はありません。
ただし、PWMと平滑化したアナログ値では、取り扱い方が全く異なるので、DCCデコーダのソフトがPWMに対応していないと、フルノッチくらいで暴走するように見えます。暴走しているのでは無く、低速に相当するPWM電圧がソフトで検出が上手くできず、フルノッチ付近しか反応しないので、フルスピードが出てるだけです。つまり、PWMに対応しているかしてないかの違いだけです。

つまり、DCCデコーダが、PWMパワーパックのN-1001-CLと組み合わせると焼損する現象については、原因は機器なのではなく、配線や取り付けにミスがあったという可能性が一番高いと言えます。

この「デコーダがアナログパワーパックで燃える」という情報においては、環境条件が非常に曖昧なこともポイントで、DCCコネクタ搭載車だった、という付随の情報もありません。よって、自分でデコーダ取り付け改造をしたケースで発生していることが推察されます。

バックデータがなかったり、発信源が曖昧な、「DCCデコーダが壊れた」などのネガティブな情報は、基本的に信用しないことをお勧めします。壊れたときは、まずはデジタル鉄道模型フォーラムで相談して、有識者のアドバイスを受けることをお勧めします。

実のところ、こういう改造での悲劇を引き起こす要因となっているのは、言うまでも無くT社です。シェアが高いにも関わらず、世界標準のDCCコネクタやそれに準ずるシステムを車両に搭載しないのですから、問題を引き起こす遠因はT社ということはあながち間違いでは無いとは思います。

N-1001-CLなど買うお金があれば、ミント缶DCCコントローラ4を買うことを強くお勧めします。
posted by yaasan at 20:24 | Comment(0) | 鉄道模型

DCCデコーダクラッシャー Tomix 5506 N-1001-CLを試す その2

まずは、TOMIX N-1001-CLの出力データを取ってみました。

N1001_test1.jpg

ACアダプタは、12V 1.25A (25W)。いたって普通のACアダプタです。

N1001_test2.jpg

■出力チェック

出力を開放状態にして、オシロで観測しました。

ボリューム 0%:
N1001_duty0.png

ボリューム 5%:
N1001_duty5.png

ボリューム 25%:
N1001_duty25.png

ボリューム 50%:
N1001_duty50.png

ボリューム 100%:
N1001_duty100.png

ごく普通のPWMパワーパックです。何の特殊な動きもありません。ボリュームと電圧(duty)の出力の関係は非線形になってるみたいですね。キャリア周波数は22kHzっぽいです。

■DSservoに印可

フルノッチで20分経っても何も起きません。あまりにも当たり前な予想通りです。
波形は以下の通りで、約11.3Vを出力します。

N1001_test3.jpg

DSservoの全波整流回路の出力後の波形(ボリュームは50%程度、25%程度から11V弱は出力):

DSservo_N1001_Edc.png

ほぼほぼ無負荷なのに0.7Vも落ちてますが、想定内です。問題は全くありません。

名古屋電鉄(Nagoden)製DCCデコーダ

MP3サウンドデコーダV5を搭載したクモハ40、スマイルデコーダR6nを搭載したキハ110でテストです。
なごでんのデコーダは、アナログは未サポートなので、電圧が掛かっても動かないこと、壊れないことが合格条件です。

N1001_test4.jpg

結果 ○(壊れない、電圧が掛かっても何も起きない)

■ メルクリン ICE2車両(HO)

あえてメルクリンにもN1001の電圧を入れてみた。

結果 ○(壊れない、電圧が掛かっても何も起きない)

■ Rocoのサウンド車両(Roco 69106) 車両レビューの過去記事はこちら

ZIMOデコーダ搭載のBR602 / VT11.5です。AC式(メルクリンCTrack線路)ですが、DCCデコーダ機能も入ってます。

結果 ○(普通に制御可能!)

しかも何もしてないのに走行サウンド付。証拠ビデオは以下です。ZIMOのデコーダは、ちゃんとPWMのDutyも監視してるんですね。良くできてますね。



■ PIKO のディーゼル機関車(Uhlenbrockデコーダ搭載車)

結果 ○(N1001で制御可能)



■ ESU LokSoundV4.0搭載PIKO車両BR612

CV29のアナログモードをONにして動かしました。
N-1001-CLでいくら操作しても、全く動きませんでした。DCCでは問題なく制御できます。

結果 ○(壊れることは無い。ただしPWMアナログパワーパックでは走行制御不可)

■ Viesssmann マルタイ

CV29のアナログモードをONにして動かしました。

結果 △(壊れることは無いが、走行制御不可)

PWMモードだと、どうしても暴走気味になっちゃうようです。PWMの検出機能が入っていないことが分かります。なので、PWMパワーパックでは動かさない方が良いです。壊れはしないですが、暴走するように見えるので、壊れたと勘違いする人は居るかも。



■ BachmannのOn30機関車(SOUNDTRAXXデコーダ搭載車)

結果 ○(N1001で制御可能)
posted by yaasan at 18:48 | Comment(0) | 鉄道模型

DCCデコーダクラッシャー Tomix 5506 N-1001-CLを試す その1

ついったーを見ていたら、こんなことが書いてあった。




その後の詳細のツイートを見ると3種類の現象が発生するとのこと。

・加圧しても動かない=デジトラックス(KATO販売のもの)
・震え出す=不明(中身確認不可)
・焦げる=Lenz

動かないという症状は、CV29の設定(アナログモード)にも依りますが、アナログ未対応またはアナログモードOFFなら正しい動作です。震えるについては、回路かソフトの問題(壊れなければセーフか)、一番問題は焦げる(焼損)です。

個人的に、Lenzがチョンボするとは思えないので、ただの配線ミスの可能性が大きいと思ってますが、データが無い以上は、実験してあげるしかありません。

と言うことで、DCCデコーダクラッシャーとして指名されてしまったTomix 5506、アナログパワーパックN-1001-CLが、本当にDCCデコーダを破壊してくれるのか、はたまた汚名返上するのか、どこかのメーカーのデコーダのチョンボが発覚するのか、検証していきたいと思います。

■検証手順

まずは、N1001のデータをきちんと取らないと始まりません。以下の項目をまずは観測します。

・DC電圧(入力)のチェック
・PWMキャリア、PWM波形(出力)のチェック
・常点灯のパルス(出力)チェック

次に、とりあえず典型的なDCCデコーダの回路を持つ、DSservoの初期不良品(ATMEGA328P-AU故障)を使って、電源回路周りの波形チェックをします。

・速度0%、25%、50%、100%の4条件
・全波整流回路のチェック(整流が行われているか)
・レギュレータの出力電圧のチェック(5Vが出ているか)

■DCCデコーダの動作チェック

大きく2項目の試験を行います。

試験(1) 線路に置いた状態で速度50%として5分間放置
試験(2) 線路に置いた状態で速度100%で1分間置く

時間経過した後に、DSmainかDSairで正常に動かせれば、損傷無し・正常(合格)とします。
ざんねんながらLenzのデコーダは持ってませんが、以下のデコーダで実験します。

・DSturnout
・DSservo
・MP3デコーダ
・スマイルデコーダR6n
・LokPilot
・ZIMOサウンドデコーダ
・Uhlenbrockデコーダ
・デジトラックスEM13

■N1001パワーパックの判定

デコーダクラッシャーかどうかの判定は、以下のように定義します。

・デコーダが全ての試験をパスした場合
・一部のデコーダがパスしない場合、かつ、デコーダで1つも損傷が無い場合
・デコーダの損傷がデコーダに起因すると推察される場合
→N1001はデコーダクラッシャーではない

・N1001の出力波形チェックで、過電圧が出ている場合
・デコーダが損傷して、N1001に原因が推察される場合
→N1001はデコーダクラッシャーの可能性が否定できない

とします。

私の予想としては、N1001はデコーダクラッシャーではないと思います。デコーダクラッシャーの可能性が一番高いのは・・・、この記事を見ているあなたです!!!

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実験結果・データなどは、その2で。
posted by yaasan at 08:18 | Comment(0) | 鉄道模型

2018年07月01日

DSair2の意地悪試験

DSair2の意地悪試験を実施しました。

■わざとショート試験

まるいちさんから、以前に「ショートしたときに表示が無いから困る」という指摘があって、どうにかしようと思ってました。ただ、TB6643KQにはフィードバック機能が無いのでどうしようもありませんでした。

今回からは、ALERT端子でフィードバックをもらえるので、その情報を元にLEDにエラー表示するようにしました。また、過電流保護の検出電流を6.3A(DSair1は、4.5-8.0Aのいずれか)、検出時間を12.4us(DSair1は 5.1us)に設定しました。

LoadTest2.jpg

ビデオで撮影しましたが、問題なく停止して、LEDでエラー表示することが分かります。



※このショート検出機能は、全てのショートを防ぐことを保証するものではありません。ショートが発生したら、速やかに原因調査を行って、原因箇所を取り除いて安全確認を行い、問題が無いことを確認してから復帰(PowerONを再度押す)をしてください。

■熱負荷試験

1.7Aまで掛けて、室温30℃でTB6642FGの放熱フィンは67℃まで上昇しました。想定内の発熱です。これからの季節は、熱負荷試験にちょうどいいです。

LoadTest1.jpg

TB6642FG_Heat.png
posted by yaasan at 09:37 | Comment(1) | 鉄道模型

2018年06月30日

DSair R2を開発中

モータドライバを、TB6643KQから、TB6642FGに変更した、DSair R2を開発中です。新型の中枢部品を採用なので、負荷試験など、意地悪テストをたくさん実施しないと行けません。なので量産は、まだまだ先ですが、じっくりと試験を進めています。

DSair2_pcb.jpg

DSair2_pcb2.jpg

DSシールドも、次世代品は、こちらの部品に変更予定です。また次世代DSシールドは、基板頒布がなくなり、完成品のみ出荷となります(ただし、ピンヘッダは自分ではんだ付け)

DSair1(現行版)との比較
DSair2_pcb3.jpg

■デッドタイムの特性評価

オーバーシュートや、デッドタイムなど、簡単に特性評価をしました。

TB6642FG_DCCPulse2.png

TB6642FG_DCCPulse1.png

TB6643KQよりもだいぶ良くて、自動挿入のデッドタイムは以前に調査したときに対して、TB6642FGでは1/4くらいになってます。パッケージ違いと思ってましたが、そうではないようです。

TB6642FG_Turnon.png

TB6642FG_Turnoff.png

と言うことで、問題なしです。短絡テストも、ちゃんと機能しました。あとは、ALERT端子の動きを確認して、ソフトでエラーが取れるか確認できれば、DSair2としては完成形になりそうです。

■DSair R2の機能強化ポイント

・モータドライバのエラーが取得できるようになるので、過電流で遮断したらエラー表示できる
・デッドタイムの特性改善(デコーダ側の電圧降下が、以前よりも起きにくい、熱損失が小さい)
・エラー表示以外については、ソフト類は現行機種と完全互換を予定(スケッチも同じ物を使える)
posted by yaasan at 13:47 | Comment(2) | 鉄道模型